はじめに
教科書や地図帳などでの標記両図法の説明は,工夫しているように見えても,何ら高校生に訴えかけるものがない。高校生が使うスマートフォンなどの地図表示には,この両図法が駆使されているのであり,その観点から説明すれば,関心も生まれるのではと思う。両図法の現代的役割の仕組みを,簡便ではあるが,ここで明らかにしている。
設問表示
2020年3月4日実施の4設問のうちの【 I 】は見開き2枚からなる。
正解(A)イ(B)ウ(C)ア(D)ウ(E)ア(F)イ(G)イ(H)ウ(I)ア(J)ア
おわりに
もちろん,入試問題なので,高校生レベルの学力に応じたものになっていて,出題内容には限界があるが,この思考実験を通じて,全地球を1枚の地図に投影する手続きや限界を知ることになると思っている。図法は単なる暗記物になっているし,出題者本人が図法を理解していないので,繰り返し同じ入試問題が出題されている。教科書執筆者も理解していないようで,教科書執筆陣が学閥や党派で固められている現状は情けないと思う。
なお,メルカトル図法で表現されているアイスランドの画像を次に示す。From ASTER GDEMのアイスランドでは,メルカトル図法で描かれているので,経緯線が直交している。ところが,From Google Earthのアイスランドの経緯線は実は,およそ正弦曲線で示されている。Google mapは実は,単なるメルカトール図法では描かれていない。the “WGS 1984 Web Mercator” coordinate systemである。その説明が次の二つのリンクにある。
http://courses.geo.utexas.edu/courses/371c/Labs/Software_Tips/Preparing_Data_and_Maps_for_Google_Earth.pdf
https://developers.google.com/earth-engine/guides/projections#the-default-projection
ASTERの成果は次サイトに無料で公開されている。
https://asterweb.jpl.nasa.gov/gdem.asp
Jan. 29, 2021記