CloudCompareで不要なポイント群または面群の削除 how to delete unwanted points or faces in CloudCompare
はじめに
このページは,二つの3Dスキャンマップを繋ぐ から続く。
3Dスキャンファイルには,必ず不要な映像が映り込む。ぼくの利用目的からすると,美観を望まないが,空間を解釈する上で邪魔になるものがある。それを削除するツールは,CloudCompareでは,Interractive Segmentation Tool に具体的に画像を使って,記されている。以下,ぼくが使えそうなツールを使った様子を示したい。
以上,Feb. 20, 2022記。
1 segmentation tool 分割ツール
cloudの不要な部分を削除するツールは,図1のsegment(分割と訳されるが,ここでは削除と考えて良いだろう)ツールである。このツールは,上段トップのアイコン群の中央付近にある。Edit>Segment,でも実行でき,図2のツールバーがcloud表示画面の右上に現れる。
手順
1 3Dモデルを移動したり回転しつつ,cloudsまたはmeshesから,不要な点群や面群を探す。
2 最上段のメーンメニューの中央付近にある,図1segmentation toolを選択すると,編集画面の右上に,図2のtool barが現れる。
3 初期設定は,ポリゴン編集モードになっている。多角形で不要なものを囲むことになる。左クリック,左クリック,左クリック,と,で不要な部分を囲む。5角形で囲みたい場合,5回左クリックして,その後,適宜右クリックするとポリゴンが閉じる。
3’ 矩形編集モードrectangle edition modeもあるが,ゴミ削除のためでは無いと考えて良いだろう。矩形編集モードにするには,図2の3の↓矢印をクリックして選ぶことになる。図2にはその様子が示されている。矩形を作る場合は,矩形1頂点を左クリック(マニュアルではクリックとしているがプレスとした方が妥当)してそのままホールドして,その対角線が到達する頂点でリリースする。
iPhone 12 Proなどで3Dスキャンしたい対象は基本的には矩形領域と考えて良いだろう。それゆえ,矩形編集ツールで囲む場合,必要な部分を対象にしているので,図2の4をつかって,矩形以外の領域を削除することになるだろう。これを削除作業の最初に使用すると,その後の小さな削除作業が軽くなる。
4 3または3’が終了すると,図2の4または5のポリゴンアイコンをクリックする。4を押すと,囲んだ範囲が残る。5を押すと,囲んだ範囲の外側が残る。不要な範囲を囲むのが普通だから,通常は5を押すことになる。5では多角形の内部が空白なので,内部を削除するというように考えれば良い。
5 一つ実行すると,paused modeになる。この時,削除したい点群や面群がはっきりと見えるようにして,ツールバーの1の「‖」をクリックすると,paused modeからまたsegmentationモードになるので,多角形で削除する対象を囲むことになる。
以上のプロセスを繰り返して,不要部分を削除してゆく。
以上,Feb. 21, 2022記。Feb. 23 修正。
で, 削除ツール segmentation toolからすると,この機能がオフされている状態を,paused modeつまり,削除ツールの休止状態,とよぶ。この状態の時に,cloudまたはmeshの回転,移動,ズームなどができる,と考えるのである。
削除ツールの説明を次に。
- 図2の1の□の中に「‖」があるボタンは,paused modeとsegmentation modeのトグルになっている。paused modeではcloudを移動または回転などして,削除範囲を表示し,「‖」ボタンをクリックして,segmentation modeでの作業を実施する。
- 図2の6の🌀に似たボタン(clear segmentation)をクリックするのはかなり危険だ。それまで実施してきたsegmenatationがすべて失われる。
- 図2の☑️ボタンの機能は把握していなかった。これをクリックするとそれまで削除してきたゴミが復活したように見え,再度,ゴミ削除をしなければならなかった。上記リンクのマニュアルでは,”validate the current segmentation and create two clouds: one with the selected points and one with the others”とあるが,新たなcloudが見つからない。
しかしながら,次のページで,この☑️ボタンの機能を理解できた。Metascan写真画像測量モードの利用-2 での,「3 ヴィソラ東端の商店と集合住宅」の図9とその直後のテキストを参照。 - 完成したと考えた時には,図2の8のボタン(ゴミ箱とその後にポリゴン)をクリックすると,これまでの作業を踏まえたcloudが作成される。File>Saveをして,当然残すことになるが,上書きするか,別ファイルにするかを選択できる。
- 図2の末尾の✖️ボタンをクリックすると,削除ツールの作業はキャンセルされる。escapeキーと同じ働きである。この後,再度,削除ツール segmentation toolを表示する必要がある。
さて,GrassGISしか知らないぼくにとっては驚くべき技術が次に示されている。cloudのポリゴン(矩形選択ツールは対応しない,as a (flat) 3D polyline)が他のcloud向けにエキスポートできることである。それゆえ,インポートもできる。図2の2のフロッピーディスクのアイコンが見えるボタンである。このボタンの右手の↓をクリックしていると,現在選んでいるポリゴンや直方体をエキスポートする選択アイコンが現れるのである。エキスポートしたいcloudやmeshのある領域をポリゴン作成する直前,つまり右クリックする前に,図2の2の右手の↓を選んでフロッピーディスクにすると,エキスポートの体制が出来上がる。フィギュアなどのcloudを丸ごとエキスポートもできるわけだ。ぼくには今の所,関心が無いのでこの実験はここでは行わない。
このエキスポート機能を知ると,segmentは,削除ではなく,分割と考えた方が良く,なにゆえ,deleteではなく,segmentという用語が使われたのか,理解できるのである。
以上,Feb. 22, 2022記。
2 実例:白姫大明神裏参道マージcloudに対して
図3は削除前の様子である。空中にプカプカ得たいの知れないもの(ここではフロートと仮称)が浮いている。
図4の編集画面の中央上端に,Segmentation [paused]とある。これは図3で見られたフロートを削除する過程が示されている。一つのフロートを削除する度に自動的にこのpaused modeになる。その際に作業がしやすいようにcloudを移動したり回転したりする。segmentation modeに入るためには,ツールバー左端のツールバーの1の「‖」のボタンをクリックするのである。
図5では,セグメンテーションモードに入っている。編集画面中央上端の表示が変更されている。
図6のcloud島の上方右端近くにポリゴン選択の様子が示されている。マウスを図2の5番目のアイコン上に置いているので,アイコンの説明Segment Out が現れている。これをクリックすると,ポリゴン内のフロートが削除されるのである。
図7の島の上方には,矩形枠が見えている。図2の3のアイコンが矩形となっている。この選択は失敗で,実行すると佐渡島のようなフロートの上半部が削除されるのである。
図8では,一気に複数のフロートを削除する直前である。この次に図2の5を実行することになる。なお,この図8には,図 7での佐渡島を矩形で削除した結果が見える。
図9では,島の一部もポリゴンで削除しようとしている。
図10では,島の不要部分の削除をポリゴンで指定している。
図10のポリゴンを削除して,図11ではサッパリしている。
図12では,フロートや島の削除した作業が,キャンセルされている。これは図2の7の☑️を実行してしまったからである。この7の役割が理解できない。これを実行したために,過去の作業がご破算になってしまった。
さて,試行錯誤しつつ,図13のように,セグメンテーション作業は完了した。LiDARでの撮影時に上り参道の左手斜面も入ってしまい,cloudを回転などして,上り参道の右手をズームインしたい時に,邪魔になるので,図13では,そういう島の斜面も削除されている。
完了したら,図2の8のボタンをクリックすると,セグメンテーション作業が反映したファイルを保存できる。File>Saveで,上書きか別ファイルで保存できるのである。
おわりに
以上,セグメンテーションを体験した。軽々とcloudの回転や移動ができて,削除も迅速にできる。いいツールだと思う。
Some keyboard shortcuts are available:
Shortcut | Description |
---|---|
Space bar | Toggle ‘pause’ mode |
Escape key | Cancel |
Return key | Apply |
Delete key | Apply + delete hidden points |
Tab | Switch between polygon and rectangle edition mode |
CTRL key (pressed) | Use a rectangular selection area (whatever the edition mode) |
I | Select points inside |
O | Select points outside |
以上,Feb. 24, 2022記。