国土地理院の基準点成果の利用 using control point survey results made by the Geospatial Information Authority of Japan or GSI

はじめに  今日はカローラを車検に出すべく,カローラの販売店に出向いた。帰りは徒歩で,R171から離れるべく,都市労働者用宅地に蚕食された残存農地を歩いた。図1は,鍋田川の入り口付近で,箕面警察の南側を東西に走る道と交差する場所付近である。図2の白い住宅の後背には箕面市立第二中学校がある。木立なども文化が感ぜられず何とも殺伐とした風景である。 この川の左岸沿いに上って車道の交差点から東方向(ヴィソラ方面)に向かった。図3には装飾的に設置された道標が見える。『箕面の道しるべ』(箕面市文化財愛好会編,箕面市教育委員会刊, 1991年)によると,みのお山瀧への道しるべになっているようである。この裏面には,図4上段左端の碑文が見える。図3は同上段右端の碑文に相当する。おそらくこのp.100で紹介されている道標がここに1991年より後に移設されたのではないか,と考えた。ところが,本日Nov. 16にこの箇所を通ったので設置者の面(図3-3)を見ると,願主(図4上段中央の)とは違って,施主となっており同じ道標ではないことは確かなことであろう。この図3-3の施主の部分は,図4と同様「京」という字が見えて,名前のはじまりは「中」と読めるがその下の字は読めそうで読めない。拓本を取れば読めるかも知れない。 箕面にあたる字面は,みの織,みのを,ミ乃を,などがあるが,図3にみえる地名,みの□,は興味深い。□は,図3のように,扌偏に,二旁,で表現されている。なお,図3の,「みの扌二」のすぐ上の二字は,「むく」,つまり,向く,ではないだろうか。  図0は,ひらがなを一音一字に統一した「小学校令施行規則」(1900年)に基づいて,作成されたものである。赤い文字はひらがなの前段階の草仮名(そうがな)。図3の道標の上二字を「むく」と考えて,図0から草仮名で,「む」に対応するものを見ると,必ずしも一致しているようには見えない。 で,「みの扌二」,の「扌二」に対応する「お」の草仮名を見ると,「於」が崩されたものであり,「扌二」ではなくて,「扌ミ」とすべきものである。石屋さんの学力での刻印なので,「む」も「お」も誤字が使われていると考えた方がよさそうである。道標の歴史的限界がここにも見える。 追記 Nov. 16, 2022:図3-1〜-3を追加した。  京や大坂などでは,箕面の滝は現箕面市域のうちでは,最も著名なランドマークであったようである。箕面の滝は,蓑が下がっている,つまり蓑が下がった面に見える瀧,として,発生した地名であろう。白糸の瀧などからすると,なんともロマン性から外れた命名ではある。  ヴィソラの西方150m見当に図5〜7のごとき異次元空間がある。散歩の際に,一度は通過したようにも思うが,本日はじめて中に入った。図5にOPEN看板が見える「ゴットウ デリ」ではおからの揚げたのだののオーガニック弁当を買って,ベランダで食べた。さっぱりして良い感じだった。パイプ椅子の脚がスノコに刺さって抜く時に指をぐねった。季節外れの蚊が右手首を刺した。図6の奥の林は隣接する当対池公園のものだ。図7の奥の「楽駝(らくだ)」は目の前でOPENになった。怪しいおっさんが出てきてCLOSEDの看板をひっくり返していた。午後3時すぎだ。この怪しいおっさんと,ふつうの奥さんと,話してみた。10円の駄菓子が小さな棚にみえる。小さなカウンターがある。ビールの絵があるので,質問したら自家製ビールだという。金曜日と土曜日の午後6時〜10時に営業しているようだ。ぼくの奥さんと来ると約束したものの帰宅して提案したら奥さんには脚下されてしまった。今週か来週あたり自転車に乗ってこのラクダを襲うつもりである。 以上,Nov. 13, 2022記。 1 基準点成果へのアクセス  比沼の真名井(京都府京丹後市峰山町久次)の大饗石(おおみあえいし)へのアクセスルートと,石そのもののマッピングをする準備の一つになる。アクセス過程を次に示す。 当方が暮らす場所では都市化が進んでいるので,基準点も京丹後市に比べたら圧倒的に多い筈だ。大饗石(おお-あえ-いし)付近にはまずは無いだろう。無くても問題ない。知りたいことは,既知の2点間について,Metascanを使ってLiDAR測量を実施して,測定結果がどの程度の誤差が生じるかである。比沼の真名井(京都府京丹後市峰山町久次)の大饗石(おおみあえいし)の図2のルートマップの想定出発点dから大饗石までは水平距離で1200mほどである。さらに,垂直距離は100mほどである。これをそのまま再現する必要性もないだろう。 1.1 国土地理院の基準点閲覧サービス利用  地理院地図(電子国土Web)から,基準点成果等閲覧サービス に入ることが出来るが,もちろん,基準点成果等閲覧サービスから直接入ることもできる。「通常検索」と「詳細検索」のタブがあるが,何故か「詳細検索」タブでは表示されず,デフォルトの「通常検索」タブで実行することになる。基本基準点,公共基準点のいずれにも,その他項目があるがチェックを入れると事実上フリーズ状態になってしまうので,その他には追加的にチェックを入れない方がよい。 図8は,当方自宅周辺を表示して検索したあと,ズームアウトした結果である。元々の範囲の検索結果が反映されている。この上段に,ブルーの「基準点成果等閲覧サービス」という文字が見えるが,この右手方向には中心緯度経度などが表示されているが,ポップアップ,と,テキスト情報,に,新たにチェックを入れている。チェックを入れることで,それぞれの基準点の下方に,成果IDと基準点名を,図8のように地図上で見ることができる。ぼくが知りたい座標値や海抜高度情報ではない。  この情報を使って,1.2kmほどの距離を持つペアを探す必要がある。LiDAR測量をしつつ基準点を見つけるのは難しいので,図8をズームインして目星をつけて,ペアを探さなければならない。これが完了し,更にLiDAR測量をした段階でこのページを追加したいと思う。なお,この作業の際には,ポップアップは煩いので,外している。 1.2 近所の基準点調査  図8のうち,近所の何点かが入った地図をプリントアウトして自転車で回った。驚いたことに一つも残っていなかった。国土地理院は何を思ってこのような意味の無い情報を公開しているのだろう。  仮に,①〜⑥とナンバーリングして,それぞれの写真を次に示す。前半3件は真鍮製の基準点鋲で,Sシリーズナンバーがついている。後半3件はハンドホールのフタのみで,そういった情報はない。偶然であるが,このハンドホール3件はいずれも山麓線(箕面池田線)から少し入ったところに立地している。  箕面市役所に問い合わせて,みどりまちづくり部まちづくり政策室(かつての都市計画課)ではなく,道路管理室(別館5F)が管理保管していることがわかった。明日Nov. 15, 2022に訪ねるつもりだ。 以上,Nov. 14, 2022記。  昨日はタニハへ。今日,午後1時過ぎに訪問すべく,道路管理室に自転車で向かう。課題を次に。1 ぼくのこのウェブページをプリントアウトして持って行く。一応,名刺も。2 もちろん,閲覧依頼をする。可能ならば地図と基準点リストのコピー依頼。3 国土地理院の基準点と,箕面市のそれとの関係を聞く。なぜ,更新されていないのかも聞く。4 ハンドホールの基準点箇所と,真鍮鋲との位置関係(平面と垂直)を聞く。 1.3 箕面市の基準点情報  昨日Nov. 16(水),箕面市道路管理室に出かけて,多くの学びがあった。本日Nov. 17(木),その情報に基づいて,およそ想定できるルートを自転車で回って,「露出した真鍮鋲」と「ハンドホール内の真鍮鋲」の様態などを確かめた。関心の範囲は図9であった。 箕面市道路管理室の担当者には,丁寧にご対応頂いた。国土地理院の基準点成果等閲覧サービスの基準点情報の基準点が残っていないことを告げたら,その認識はなかった。本日巡ってみて,ぼくの認識ミスであることがわかった。真鍮鋲ばかり探していたので,ハンドホールに気付かなかっただけであった。図9の山麓線に近い④地点で,偶然?ハンドホールに「箕面市基準点」という刻印を見つけて後,いわば立て続けに計3箇所のハンドホールを見つけたが,これが国土地理院の三等基準点とは繋がらなかった。 本日Nov. 17,巡っている時には気付かなかったが,いま,調査結果?をこのWebページに入力を始めて,箕面市基準点のハンドホールが,国土地理院の三等基準点に対応することに気付いたのである。真鍮鋲には,例えば図13のように,S-200などのナンバーリングがある。この真鍮鋲に対しては標高情報がない。平面直角座標系の(X, Y)値だけである。4級基準点にあたっている。 今回の実験試行では,この真鍮鋲の基準点は省略しようと思う。今日, 真鍮鋲を確認することで現在位置の誤りに気付いたりしたが,計算過程の煩瑣をさけるためもあって,三等基準点限定にしたいと思う。ハンドホール内の真鍮鋲の配置は一定ではなく,一つ一つ確かめる必要がある。この作業が本日の中心的なものであった。以下,調査結果をまとめたいと思う。  測量結果をまとめる際には3D情報が必要なので前記のように三等基準点に限定して示す。 真鍮鋲の頭とホール周囲のレベルとの比高は,148 mm deepであった。  当方の住居そばなので,次の1点だけ,4等基準点を示す。 箕面市情報では,X= -128467.535 Y= -46253.261。三級基準点とあるが現在は4級基準点と称している。 真鍮鋲の頭とホール周囲のレベルとの比高は,140 mm deepであった。 真鍮鋲の頭とホール周囲のレベルとの比高は,164 mm deepであった。 真鍮鋲の頭とホール周囲のレベルとの比高は,143 mm deepであった。 真鍮鋲の頭とホール周囲のレベルとの比高は,155 mm deepであった。 真鍮鋲の頭とホール周囲のレベルとの比高は,115 mm deepであった。 真鍮鋲の頭とホール周囲のレベルとの比高は,170 mm deepであった。 真鍮鋲の頭とホール周囲のレベルとの比高は,148 mm deepであった。  以上,3-61, -41, -40, -39, -38, -43, -42, -44の8点の主に三等基準点のホール内真鍮鋲位置を示した。LiDAR測量の際は,ハンドホールの蓋が閉まったままなので,蓋のどの位置に真鍮鋲の中心があって,その位置から深さ何mmにその頭があるのかを求める必要がある。蓋のどの位置に真鍮鋲の中心があるのかは,後にイラストレータを使って示したいと思う。 なお,ハンドホールの蓋を開けるのにドライバーで十分かと思ったが,一応両釘抜を持参した。ぼくには最も近い図39の南西端の3-61に行ってみた。ここでは基準点を何度か探したがこれまでは見つからなかった。しかし,前々日に見たハンドホールを探してみると,果たしてあった。頭から真鍮鋲を探してしまうと決してこの箕面市基準点のハンドホールは見つからないのである。蓋は,この両釘抜だけで何とか開けることができた。どうもハンマーも必要だと感じて自宅に引き返した。図32や図37に見えるハンマーと両釘抜は必須であった。この両ツールを使ってもなお開けにくい蓋もあったのである。ホールの写真に見える曲尺(カネジャク)は偶然だが手頃だった。フィールドバックに入れていてもほとんど使ってこなかったのであるが。 2 LiDAR測量 2.1 ルート選定  まずは,明日Nov. 18のLiDAR測量のルート図を描く必要があり,図39に提示した。南西端の3-61を出発し,-41, -40, -39, -38, -43, -42, -44と進むことになる。図39のスケールはグーグルマップから簡易的に求めたものである。これを使うと,1800m余りとなる。 2.2 Metascanの準備  Metascanは久しぶりに使う。———————————————— Metascan(最新は,ver. 2.8.0 (Nov. 7, 2022))のトップページ: https://metascan.ai/Start 3D scanning today https://metascan.ai/pricing Freeでは,For getting started.$0/monthfor individualsGet MetascanUnlimited LiDAR Scans5 Photo Scans per monthUSDZ, iMessage exportShare scans to […]

比沼の真名井(京都府京丹後市峰山町久次)の大饗石(おおあえいし) a big table rock for a banquet at Hinunomanai, the former Grand Shrine of Ise

はじめに この図1は,久次岳・(東西)権現山を久地より周回 YAMAPの情報から拝借した。  出口三平さんからこの大饗石 a banquet rock table,参拝のお誘いがあり,所在地などを調べてみた。ネット上でおおよその位置が示されており,まずはネット情報に頼って位置を机上で整理することにした。現地に行っても,山中のことで,必ずしもGPSの記録は信用できないので,3D scannerの一つMetascanでルートを測量してきたいと思っている。  この大饗石全体の測量も3D-scannnerで実施したいと思う。岩石を割ることはできないので,苔の隙間から想定できる可能性がある。岩の測量だけでなく,この周辺の立地から,運搬?されてきたルートなども観察したいとは思う。根付きでないことはまあ,間違い無いだろう。このような観察結果も,ここに示したいと思う。 追記 Dec. 6, 2022: 大饗石を,おおあえいし,と読むか,おおみあえいし,と読むか,を,大饗石に関心を持つようになって以来,放置してきたが,ここで決着を付けたいと思う。先に結論を言えば,おおあえいし,である。大饗石を,おおみあえいし,とは誰も読めない。 精選版 日本国語大辞典「大饗」の解説,によると,だいきょう,たいきょう,おおあえ,おほあへ,である。おおみあえ,とは読めない。それで,おおあえいし,としたい。 古事記全文検索,でみると,大饗,大御饗,いずれも存在するが,現在の漢字表現を優先するのである。 1 想定される位置  まずは,綾部から比沼の真名井神社までのGoogle mapでのルートを示す。ぼくは大阪なので,まずは綾部まで行く必要があるが。比沼の真名井が,大陸からの侵入ルートになっている天橋立と,かつての豊岡の内海との間に立地するところは興味深い。  京丹後市峰山町久次から大饗石までのルートを知る上で参考になるのは,2件がある。一つは,YAMAPの「もと」さんの2021.7.1のトレッキングであるが,GPSを主とする記述なので,次のyoutanさんの方を使いたい。 悠但訪: 大饗石 ルートマップが提示されている。ブルーのメモは当方のものである。東端に近い久次(ひさつぎ)公民館(〒627-0054京都府京丹後市峰山町久次)は地図情報としては現在臨時休業となっているが,Youtanさんは駐車場に利用している。現在の地名は,ひさつぎであるが,おそらく,くし,ではないか。奇魂の「くし」である。 図2のマップは国土地理院の25000分の1地形図がベースになっている。地形図凡例によると,細い黒線は1〜3m幅の軽車道である。地形図では,図2のyoutanさんによって塗られたマゼンダ色のルートは,a地点で途切れている。さらにこのマゼンタ色に塗られた道路の南そばには,赤色のルートが追加されている。これらのルートについて詳細な説明があるが,この道はおそらくyoutanさん作である。ルートの復元方法はyoutanさんのサイトには記述されていない。なお,地図上のスケールは,地形図のスケールと比べると500m長のようだ。 youtanさんの記述では,a地点より西方も林道が続くが,(おそらく台風による)倒木が邪魔するようだ。youtanさんのトレッキング日は2021年5月23日になっているので,現在でもほぼ同様だろう。iPhoneアプリGeographicaで大饗石のポイントをマーキングした。その際の経緯度表示は,35°35’42.49″N, 135°00’49.31″E, で,海抜高度は250.0mである。GPSは山中では信頼しにくいが,跳びなどを削除して,このルートマップが作られたことであろう。 Metascanによる測量が意味をなすには,国土地理院のランドマークが必要である。この測量にはかなりの時間が必要なので,できるだけ距離を少なくしたい。とすると,157mの独立標高点(図2のd地点)ということになるだろう。独立標高点には,標石のあるもの(標高値が0.1m単位)と標石のないもの(1m単位)があるので,この157mのものには標石がないので,地形で大雑把に判断することになる。まあ,この157m独立標高点を使おう。図2の「157m峰」として▲が示されているところである。地形図では図3のように「・157」とされている「・」に対応している。 以上,Nov. 9〜11, 2022記。 2 ルート決定  悠但訪: 大饗石を参考に以下にまとめたい。 1 図2の久次公民館の駐車場を使用する。休館中なので何らかの状況判断をする必要があるかも。2 図2の林道c地点は,この付近の最も高い屈曲点である。3 図3のc地点から,d地点,つまり独立標高点・157に向かう。4 c地点からSSE方向に50mつまり,31複歩(1複歩=1.6m)ほどの最も高い部分がこの独立標高点でにあたるのであろう。 5 このd地点(・157独立標高点)から,林道のc地点に戻り,b地点(四叉路)で最も広い林道を選び,a地点を経て,「太い管が埋設」,「丸太橋」,「小池」を経て「尾根の背」に達する。ここで赤い道と合流する。「尾根跨ぎ」から谷筋に戻り,大饗石に辿り着くことになる。 youtanさんの写真入りメモをプリントアウトして持参した方がいいだろう。 3 地質図では大饗石を地山としているようだ  本日Nov. 20, 2022,午後5時前に峰山町のホテルKissuien 到着。日曜日は夕食なしだそう。近所の食堂に,午後8時頃に行こうかと思っている。このホテルの周辺散策を見ると,峰山町は野村克也の出身地らしい。氏ゆかりのお店として「かさい食堂」がある。スナックも多いけど全く興味なし。今電話でフロントに聞いたら休日は営業していないのが半分ぐらいか。午後9時閉店だから7時半ぐらいにはホテルを出た方がいいな。 結局,峰山駅に接した菊乃家に行った。刺身定食と生ちゅう。50歳ほどの若夫婦の奥さんの話ではかつては敷地が3倍ほどの駅前旅館だったらしい。旦那は養子さんだな。おばさんのお父さんが今も親分で調理している。ぼくの母の里も山代温泉の旅館をやってたなんて話して,それなりに,お話ができたのである。雨が結構降っていて,ホテルからこの食堂まで辿り着くのも疲れてしまった。で今ホテルで,この節を書いているのである。 大饗石を何故か,花崗岩と思っていた。それで,何となく大陸から運搬されてきたのではと思ったりしたのである。無知そのもの,丹後半島がほとんど花崗岩からなるということを完全に失念していたのである。 図4の左図は 地理院地図 から,右図は 20万分の1日本シームレス地質図 から得たものである。スケールをほぼ一致させている。よーく見ないとわからないが,両図に,久次岳の頂上そばに赤い△を示している。底辺の左端は久次岳山頂,右端は行政区画の久次の代表点である。地形図の方は検索した場合に青いフラッグが付加される。そしてこの底辺を成す△頂点の残りの北の頂点は,図2からおよそ大饗石の位置にあたる。ぼくが確かめた訳ではない。図4の右図をよーく見ないとわからないが,実はこの大饗石付近は,ちっちゃく花崗岩域になっているのである。デイサイトがここでは広く分布しているが,点的に,花崗岩が見えるのである。花崗岩は古第三紀で,デイサイトが新第三紀だから,深成岩である花崗岩がほぼ大気に近い場所まで上昇して後にデイサイト質熔岩が流れて形成されたということになるが,この大饗石付近はもともと地形的に高い位置にあって,現在,かつてのデイサイト質熔岩を吐き出した火山が侵食されて,深成岩が露出しているというようなことになる。地質図を書いた人はそう考えたのであろう。 もしこの点的な花崗岩域が大饗石にあたるとすると,地質図を書いた方は,人工的な構造物を地山と過ったのである。あろう,ではない。まあ,この誤解からも,大饗石が花崗岩からなることは間違い無いと思われるのである。 ただ,明日,大饗石に行って,石と地山の境界部での地質の違いを確認したいとは思う。タワシを持参したので,目立たないところで,両方の地質を確認したい。まあ,地山を削って,このような構造物を作ることもありうるとは思うが,花崗岩域を探し当てて,この部分に応じた構造物を作るというのはかなり困難な仕事だ。まずは,大饗石が花崗岩かどうか,そして花崗岩の場合に,地山との関係を明らかにする必要がある。 以上,Nov. 20, 2022記。 4 第1回: metascanによる独立標高点・157から大饗石までの測量の筈が  Go-to-travelを初めて体験。宿に到着してコロナワクチン三回接種証明をみせて成立。ホテル代金3割引ぐらいで,旅行クーポンというのか,さらに6000円を貰った。意味わかんなーい。このKissuien Hotelのレストランは日曜日は営業していないので,雨のなか,JR峰山駅に面する菊乃家(図5)に行った。刺身定食と生中で2000円。奥さんによれば,かつては駅前旅館で敷地も現在と比べるとかなり広かったらしい。当方の母の両親なども石川県の山代温泉の旅館をかつては経営していたが破綻したことなどをお話した。言わなくて良いのに。地方都市の零落が感じられた次第である。 図6,7はホテル前の風情だが,調査当日の朝で,朝食を頂きながら目の前の石垣の岩質が気になった。花崗閃緑岩のようだ。大饗石の岩質が気になっていたので,まあ,啓示を受けたような印象であった。  久次公民館への途中のコンビニでランチになるものを購入しようと考えていたが,結局,公民館まで一つも店が無かった。昨晩,菊乃家に行く途中に見たスーパー西垣と逆方向だったことが禍した。ホテル前を通過してこのスーバーで買い物を下。昔みた菓子類があった。店内は何か寂れているが図8のように駐車場は買い物客の車で一杯だ。往復40分ほどだったかで公民館に戻った。図9の中央に我が愛車のノーズが見える。比沼麻奈為神社の案内板が左手に見えるが,この看板はカーナビで進むと正面に見える。カーナビでは峰山町久次の主要部でしか検索できなかった。この駐車場をお借りできたのはありがたかった。フロントガラスのそばに久次岳を登りに行くというメッセージ(日付付き)を書いた名刺を置いて,久次岳の中腹の大饗石に向けて出発した。  ちっちゃな集落である。石垣の構成岩石をみたりした。安山岩や花崗閃緑岩,さらにはデーサイトがみえる。狭い用水路の側堆はマサ的な砂で構成されている。  さて,図12は登る前,図13は下山時の午後5時前のゲート。厳重にロックされていて,動物というより人間の遮断柵である。登山者やハイキング客?への配慮は全くない。柵は一面に張られていて,抜け穴がない。イノシシ除けが中心か。碍子付きの電線も張られている箇所も多々あり,サル除けにもなっているのか。  図14〜16はゲートのそばの人的崖である。図15のように簡単に棚を造成できるので,その上に植林されている。この形は,後に示す昭和初期以来の植林地でも採用されている。  図17の砂防記念碑では道の分岐はないと考えて良い。道なりに進む。「お不動さん」の道標は2箇所あり,最初のものが図18である。この日,21日は,右手の道を取った。yotanの案内では,最初の「お不動さん」のところで,「『お不動さん』の石標に従って,左の道を進んでいきます。」,とあり,次のコマでは,二つ目の「お不動さん」の石標が出てくる。「林道は正面へ続いていますが,『お不動さん』に立ち寄るべく,左前方の道を進んでいきます。」,とあって,ぼくは,yotanさんは「お不動さん」参拝の意図があって,このルートを取ったと誤解した。それで,図18の最初の「お不動さん」の石標で,右手の道を選んだのである。図18の右手の白い塔は,昭和初期以来の林道であることが示されている。図2のyotanさんが独自に描いた赤線を避けて,地形図に元々描かれている道,つまりマゼンタ色の道をぼくが選択したと考えた。 以上,Nov. 23, 2022記。  さて,図20の橋までは間違い無く,林道であるが,その後,続かない。人工的な棚上の植林地はフラットで,林道に見えてしまうが,途中で消失する。図21や図22のように林道に見えるが,これらは植林用の棚に由来するものである。  この付近の道沿いの水路には真砂状の堆積物が見える。礫は図24や図23のように水路壁に積み上げられた礫が崩落したものである。言い換えると,水路底は基本的にマサ状の砂の堆積が主となっている。図23の溝の真砂状堆積物を分断する礫も,右手の石垣の崩壊によるものである。  道に迷ったあげく,結局,図25のように,図18の最初の「お不動さん」の道標に戻った。この経験で,図25の左の道が地形図の道であることを認識した。図26は二番目の「お不動さん」で,この後を振り返ると,道が二股になっていることがわかり,この交差点が,yotanさんの四叉路であることがわかったのである。yotanさんが追加した赤線道は,この四叉路を振り返って見える道のことであった。今回の登山とは全く関係のない道である。  この図26の右手の道が地形図の道である。この道を進むと,図27付近が地形図に描かれた道の終点で,さらに先にこの道は延びていて,図28はyotanさんの太い管の埋設場所,図29はyotanさんの一つ目の丸木橋。  さて,奥に進むと,倒木域の密度が高くなる。図30〜図32。  図33〜38には,現植生のcreep現象が多々見られる。図36〜38をよく観察するとわかるが,水平方向の幹長は5mに達するものも見られるのである。この観察は,大饗石そばのデイサイト落石上から見たものである。大饗石のLiDAR測量は,この21日に実施した。この結果については,後に,翌日22日の第二回のものもまとめて示す。  図39〜41は下山中に見えたもので,図41は太い管付近から降りたところの景観である。 以上,Nov. 24, 2022記。 5 5万分の1スケールの地質図の確認  20万分の1地質図では粗くて,5万分の1地質図で確認したい。5万分の1,2.5万分の1地形図の新旧緯度・経度対照表(索引図) を参照する。20万分の1地勢図名は「宮津」で,5万分の1地形図の地図番号は宮津15で,名称は「宮津」であることがわかる。 別件ではあるが気になっていることがあり,地域は違うが「三津地域の地質」によれば,p49「本地域内では高田流紋岩類灰ヶ峰層のデイサイト溶結凝灰岩(H4d及びH6d),流紋岩溶結凝灰岩(H5r及びH7r)及び呉花崗岩を対象に採石が行われ,呉花崗岩の風化部を対象に真砂採取が行われている」とあり,真砂土というのはデイサイトでは形成されないようである。日本の地質学では,英国の英語 “dacite |ˈdeɪsʌɪt| noun [mass noun] Geologya volcanic rock resembling andesite but containing free quartz.”が使われているようで,表現は,米語デーサイトではなく,Queens English デイサイトが採用されているようだ。 地質調査所の地質図は,「城崎・宮津 5万分の1:表層地質図,であるが,久次岳周辺は空白になっていて,使用できない。次の図42では,公開画像ファイルが極めて薄い表示のために彩度と輝度を上げて示している。    幸い,1990年の土地分類基本調査図の一つ,地質図があった。5万分の1都道府県土地分類基本調査(京都府)上にある。5万分の1土地分類基本調査(説明) GISデータ (表層地質図、土壌図)も提供されているが,残念ながら宮津図幅については無い。KMLファイルは,G空間情報センターで提供されていて,Google Earth上で,3D表示が可能である。これについては,後に紹介したいと思う。  図43では,土地分類図から画像データを示して,22日のトラッキング(図45)に基づいて,大饗石もプロットしている。この図から一気に大饗石の地形学的な意味が理解できるようになった。この図幅について,説明しよう。久次岳を含む最も標高の高い位置に,切畑凝灰岩層上部がある。そしてこの図43北部の谷の部分には切畑凝灰岩層下部が見える。堆積時代は新第三紀中新世だから地形と地層をそのまま対応させることは出来ないが,それでも切畑凝灰岩下部が上部と比べると,元々,より低い位置に堆積していたように見える。この凝灰岩周囲には,花崗閃緑岩が見られ,さらに,この周囲には粗粒黒雲母花崗岩が見られるのである。いずれも白亜紀の深成岩ゆえに,中生代白亜紀の古島弧が付加された結果,現在,地表に露出しているのであり,第三紀火山活動による堆積物の基盤岩を構成しているのである。 この図43と,シームレス地質図(図4)を比べると,結構の違いがある。図43では花崗岩二種が区分されているが,図4では日本列島の統一的観点が重視されており,花崗岩の岩質区分は重視されていない。併せて花崗岩となっている。改めて考えると図43の花崗岩区分は奇妙な印象がある。マグマの分別過程での結果になる筈であるが,そのままは理解できない。花崗岩の時代は図43では白亜紀,図4では古第三紀になっている。図4では,現在の年代測定研究の成果が組み込まれたものであろうから,図4の時代区分の方が妥当であろう。成因としてプレートテクトニクス研究での古島弧の観点に変わりはない。図43の切畑凝灰岩の観点を超えているのが図4である。図4の観点の方が当方が垣間見た岩塊の岩質に合っている。図4では,デイサイトおよび流紋岩質の熔岩または火砕岩となっていて,図43の凝灰岩という限定よりも,より多様な出現形態を反映している。図43も図4も,火山活動の時代は中新世としており,変わらない。 図43での大饗石は,地表標高の上方の切畑凝灰岩層上部と最短水平距離で500m余りにあり,大饗石などの岩塊は近隣の凝灰岩層が滑り落ちたものということになる。大饗石の北西域は幅1500mほどの凹所があって,更にこの北西側には急崖が形成されている。シームレス地質図(20万分の1)から想像したものとはかなり異なる結果となったが,このシームレス地質図は1990年発行の土地分類図よりも新しい成果が組み込まれているとは思われるが,土地分類図の地質配列の方がより納得のゆくものではある。地質は,植生や土壌などの被覆があるので,悉皆的に求めることは極めて困難であり,地形から地質を類推することも実施されていて,それが過った結果を生み出すことも在って,地形学的に納得のゆく地質図が必ずしも実際の地質を反映しているかどうかは解らない。大饗石の上面がほぼ水平なのは,熔岩ではなくて,凝灰岩内のダイアステムや層理面に由来する可能性が高いのだろう。 5’ Nov. 29, 2022追加: 20万分の1「宮津」2022年改訂版の成果に基づくと  ネット検索過程で偶然,20万分の1地質図「宮津」図幅の改訂版は本年に出版されていることを一昨日に知った。辻野匠, 2019.丹後半島の中新統北但層群の層序と構造. この文献から次の図幅情報を検索した。中江 訓, 辻野 匠, 小松原 琢, 高木哲一,宮川歩夢, 2022.20万分の1地質図幅「」宮津」(第2版). この新たな研究成果を確認したい。この図に大饗石のGPS経緯度情報位置をプロットしたのであるが,久次岳に極めて近接した位置になってしまった。この図から想定される久次岳山頂の経緯度も求めたが,明らかな誤りであった。つまり,この20万分の1地質図の位置精度は大饗石の経緯度をそのままプロットができない精度であるということである。これを理解するのには他の地図学的アプローチが必要であった。「20万分の1地質図」をぼくのような目的のために単純に使うことはできない,ということである。この図を元に今後,20万分の1のシームレス地質図が更新される筈であるが,何らかの図学的な処置が実施されるのであろうか。おそらくそういう処置は無いのではないかと思う。それ故に,一般に,20万分の1のシームレス地質図を使う場合には注意が必要ということである。かつて,スケールが重要だと,東北大大学院在学中に,鹿児島大学の服部信彦先生から頂いた年賀状に記されていたが,こういうことも含むお教えであったと思う。この20万分の1地質図「宮津」改訂版の内容に入る前に,GE上での作業を示したいと思う。  iPhone 12 Pro上のGeographicaでの大饗石のウェイポイント値は3点,独立に得られたがその平均は,(35º35″37.173″N, 135º00’45.760″E)であった。久次岳の山頂についてはGoogle mapで検索してその山頂情報から求めたが,(35º35″32.171″N, 135º00’25.041″E)であった。 GE対応のKMLファイルは,/組織国立研究開発法人 産業技術総合研究所地質図(kml)宮津 にある。図中の黄色のピン目印4点の上端近くは,久次岳で,図43aのスカイラインを構成している。この下方の2点はGeographicaで記録したトラック上のもので,峰山町久次公民館から久次岳そばの大饗石である。久次公民館そばのトラックから外れたものは,比沼麻奈為神社である。右下のスケールは読めないが700m長にあたっている。このトラックはGeographicaからGoogleEarthKML出力したものである。  この地質区分は土地分類図に従っている。つまり,灰色の久次岳を含む山陵部は切畑凝灰岩層上部,黄緑色はその下部(安山岩質凝灰岩,凝灰角礫岩,凝灰岩質砂岩)で,大饗石が立地するえび茶色は花崗閃緑岩,久次の立地するピンク色は黒雲母花崗岩である。  図43bに第2版20万分の1地質図の大饗石周辺の部分を示す。前述のようにこの地図が正確な経緯度を反映していないので,大饗石の位置として,図43の位置から推定してプロットした。これによると,大饗石の崩落源としては,Torつまり,流紋岩〜安山岩溶岩,となるが,後に示すように,崩落した岩塊はこの岩相だけに限定されない。つまり,この地質図はかなり粗っぽいものと言えるのである。kmzファイルもすでに供給されているが。  大饗石及びその周辺の岩塊だけを問題にすれば,この場の地質学的意義について述べる意味は全く無いのであるが,敢えて,中江ほか(2022)の「3. 地質 > […]

水性ペンキを使った聚楽壁の補修 refreshment of Kyoto-style mud wall using water thinned paint

はじめに  厨房と周辺の片付け では,油性着色ニスを使って本箱などを塗ったのであるが,自らの技倆の限界を強く感じた。このあと,さらにトイレの聚楽壁の補修が待っている。厨房の大型冷蔵庫を廃棄したのであるが,その背面をなしていた聚楽壁はかなり傷んでいる。これも改修しないといけない。これは,前述のページで記述しているが,聚楽壁補修のセットを購入しているが,トイレのロウタンク周辺の補修ならば何とかなるかも知れないが,厨房の壁面,さらにはタニハの他の壁もとなると気が遠くなる。聚楽壁補修セットは上塗りになるのでさらに厚くなってしまうし,その分が割れて落ちるかも知れない,そういう不安もあった。  で,本箱の油性着色ニス塗りが蜿蜿と続く中で,ペンキで木地を隠すしかないのではと思い,アマゾンでアサヒペンのものを調べた。水性がまず良いようだ,そして,聚楽壁などにも対応するというものがあった。アサヒペン NEW水性インテリアカラー 和室カベ用 1.6L 朱赤色 を一昨晩,アマゾンから注文した。カラー:朱赤乾燥時間:夏期/30分~1時間、冬期/2~3時間標準塗り面積:1回塗り11~14㎡(タタミ7~8枚分)標準塗り面積(吸込みの多い面):5~9㎡(タタミ3~5.5枚分)揮発性有機化合物の建築基準法対応区分:ランク F☆☆☆☆  1.6Lである。0.7Lもあることに気付かなかった。かなり大きなサイズだろう。失敗とも思うけど,水性なので揮発や塊形成の蓋然性は低いだろう。3188円が2791円で購入できた。アイリスオーヤマ 養生 マスカー 布テープ 1100mm×12.5M M-NTM1100S 165円,も購入したが,この使い方は下のユーチューブに出てくる。安いのに,すっごく便利に見える。  壁面のペイントはローラー刷毛を使うのがいいようだ。アサヒペンにも用意されているが,どうも評判が良くない。コーナンで買った方がいいように思った。コーナンで揃えて,館内のダイソーのお姉さんに見せたら,同じ物があるという。で,ダイソーを見たらコーナンよりも断然安い。セットが200円,取り替え用ローラーが2本で100円。 1 ローラー刷毛の使い方  厨房と周辺の片付け「図101 京壁+沁み出し予防+コテ」,さらに,トイレ聚楽壁の補修 には,聚楽壁の材料を使う方法を示している。壁が破損しているところは,このトイレ聚楽壁の補修,を参照して,ペンキ塗りの前に,清掃や補修を実行する必要がある。その上で壁面が問題の無い部分も合わせて,ペイントすれば良いことになる。  アサヒペンのNEW水性インテリアカラーで部屋の壁を塗装する方法 壁紙に塗ってるけど,参考になる。 【DIY】砂壁にペンキ塗ってみた 砂壁なので参考になるけど,完全に失敗しているから面白い。 日に焼けた砂壁、ペンキで綺麗に仕上がりました♪素人でも出来た!【和室/築34年】これも参考になった。ペンキを缶からおつゆのお玉で取ってる。ペンキ缶はラップで仮カバーしてる。一回目はラフにして,2回目はより定着して丁寧に塗ることができる。  アサヒペンの書き込みなどを見て,ローラー関連の使用について,次のようにまとめられる。  水で希釈した方が塗りやすい。臭気が少ないのはありがたい。手についた塗料もお湯で簡単に落ちる。ダイソーのペイントローラーセットの説明などを参考に。1 ローラーの表面に浮いた毛を,ガムテープなどで,取り除く。2 ローラー皿の凹んだ部分に塗料を入れる。液位は皿深の1/2程度か。3 ローラーを皿にゆっくり入れ,転がしながら,ローラーの表面にまんべんなく塗料をつける。ローラー内部に空気を含んでいるとキレイに仕上がらないため、気泡がでなくなるまで、しっかりとペンキを染み込ませるのがポイントだ。4 余分な塗料は皿の手前の角で塗料が垂れないように落とす。5 塗装面にローラーを45度の角度で当て,下から上に転がす。塗るときに強く押しつけすぎるとペンキが垂れてしまうため、力加減に注意しよう。また、塗っている際にローラーを浮かせてしまうとムラができる可能性がある。手早く塗りたくなってしまうかもしれないが、あまり早く転がし過ぎるとローラーが上手く回らなかったり、ペンキが飛散したりすることも。丁寧に転がしながら塗っていこう。 ペンキを塗る際は、まずWの文字を書くようにペンキを配る。次に、縦横にペンキを広げて伸ばすように塗っていく。最後に、一定方向に塗り整えるのがポイントだ。壁の場合は、下から上に向けて塗ることで、ペンキが垂れにくくなる。 壁の補修した部分は厚塗りする必要があるかも知れない。塗りにムラがある場所は,重ね塗りをしたり,乾いても濡れたウエスとかで擦ると取ることができる。床に垂れたペンキも同様に拭いて取ることができる。 延びが良くて,ローラーで押し付けるようにして,和室の京壁の上から直接塗ることができる。乾いて色が落ち着くとローラーの跡も目立たなくなる。 既存のジュラクが砂落ちする場合は,樹脂系の水性下地プライマーで押さえてからの塗装する場合があるが,プライマーは土壁に対応するものを選ぶ必要がある。隅部はハケで塗る。 砂壁は下地処理していても吸い込みが多いため、2回塗りで30㎡に7L使用したので4.2㎡/Lだったようだ。 ペインティングを成功させる10のポイント アサヒペン1.塗料は対象に合わせて選ぼう基本中の基本は、塗装対象に合った塗料を選ぶこと。塗料が対象に合わないと、すぐにはがれがきたり、保護効果が薄かったりトラブルのもとです。トタン屋根にはトタン用、浴室には浴室用が相性ピッタリです。 2.塗装をするなら晴れた日に寒い日のペインティングは人間がつらいだけでなく塗料にとっても最悪。ことに水性塗料は5℃以下で塗ると簡単にはがれてしまいます。気温が7℃でも、塗装面 が5℃なら同じこと。また、湿気が高すぎても、結露や白濁、なかなか乾かないなどの失敗の原因になります。湿度(65%以内)、温度(15℃~20℃)の晴れた日が理想です。 3.下地調整を入念に塗装する面の古い塗膜や汚れ、サビなどを残したままペインティングしてもすぐにはげたり、塗面 が凹凸になったりします。塗装を素早く美しく仕上げるために下地調整は入念に。下地調整の段階で、塗装後のよしあしがほぼ決まってしまいます。 4.マスキングは必ずする下地調整同様、マスキングも大切な作業のひとつ。塗料を付けたくない所は、あらかじめ新聞紙やビニールシート、マスキングテープなどで覆っておきます。きちんとマスキングしてあれば作業能率もあがり、きれいに仕上がります。 5.塗料は使い始める前によく混ぜて顔料が沈殿したまま塗り始めると、仕上がりにムラができます。使う前に容器の中の塗料をよく混ぜてください。スプレーも同様に、30秒~1分ぐらい容器を振らないと混ざりません。スプレーの場合、顔料が下にたまったままだと、詰まりの原因にもなります。 6.うすめ液を上手に使おう塗料の粘り気が強すぎると塗りにくいものです。そこで活躍するのが「うすめ液」。水性には水、油性にはペイントうすめ液、ラッカー系塗料にはラッカーうすめ液を使います。こぼれた塗料や衣服に付いた塗料の汚れもうすめ液で落とせます。 7.塗装対象に合った塗装用具をハケは塗料によって水性用、油性用、ニス用に分けられます。作業の能率アップには、塗る場所に合わせてすじかいバケ、ズンドウバケ、平バケなどを使い分けることが大切。ローラーバケやコテバケも有効に活用して。ハケが揃ったら、まず隅から塗り始めます。 8.塗料の厚塗りは禁物塗料を厚く塗りすぎると、乾燥するまでに時間がかかり、表面が縮んでしまったり、ひび割れができたりします。薄く塗って2~3回重ね塗りする方が失敗しません。もちろん1回塗り塗料なら、1度で多少厚めに塗ってもきれいに仕上がります。 9.重ね塗りは、前の塗料が乾いてから薄く2~3回塗るのが美しく仕上げるコツですが、重ね塗りする際は下の塗料が乾いているか確かめてからにしましょう。乾き方が不完全だと、厚塗りしたのと同じ状態に。指で押してみて指紋の付かないことが確認の目安ですが、缶 の表示にある塗り重ね時間を確認します。 10.通風をよくし、換気に気をつけよう風通しがよければ、塗料は早く乾きます。重ね塗りもスピードアップ。油性塗料やラッカー系塗料などを用いるならなおさら、臭気がこもらないように通 風・換気を心がけます。 以上,Nov. 4, 2020記。