続国土地理院の基準点成果の利用 a sequel to using control point survey results made by the Geospatial Information Authority of Japan or GSI
はじめに 国土地理院の基準点成果の利用 は,2022年秋に作成したものである。これを元に,文学論集Vol. 74, No. 4に投稿すべく記述してみて,2年間のブランクもあって,一つの章を追加する必要性を感じ(2年前に残したことであった),それをここにまとめることにした。制限ページ数に近く,ここで書き込んだもののダイジェストを文学論集Vol. 74, No. 4の第Ⅹ章にしたいと思った。 0. 「Ⅹ LiDARルート測量とライダーROI測量を繋ぐ」(コピペ) 2024年秋現在,筆者の利用の観点からすると,最も優れた3D LiDAR ScannerアプリはScaniverse[i] (v.4.0.2) である。Polycam[ii]と,これまで述べてきたMetascanは,マニュアルを読む限り,パワフルなアプリという印象を受けてきたが,1セッションのLiDAR測量継続時間はいずれも10分間に限られる。Polycam Pro [for iOS v.3.5.18 (225)]の説明書には10分間の限界は書かれていないが,10分を超えると,「前のエリアに戻って再開する」と「最初からやり直す」の二択を迫られる。戻っても再開されない。Scaniverseには,この制限に関連する情報は記されていないが,幸い経験的にこのような限界はないように思う。 さて,ここでは本章タイトルを実行する。許されたページ数は残りわずかなので,これまでのような順を追った説明は省く。これまで,基準点4カ所を通るLiDARルート測量結果を平面直角座標系に載せる手法を示してきたが,ROIのライダー測量結果を平面直角座標系に載せる手法は示していない。しかし,賢明な読者はこれから述べる内容をすでに見抜いておられるのではないかと想像している。 本報告の目的は,ROIのLiDAR測量結果を平面直角座標系に載せる手法を示すことにある。測量ルートの選定は当然,ROIを通過するかその近接地にすることになる。ルート測量の途中でROIのLiDAR測量を実施することも可能かも知れない。ただ,ROIでは丹念にLiDAR測量を実施するので通常,ルート測量とは別にしたいと考えるだろう。 そこでルート測量の際に,ROI付近に一時的な二次的基準点を4カ所設置すれば良いと考えられる。ルート測量して,引き続きまたは翌日にでもROIのLiDAR測量を実施することもできる。なんらかの理由で繰り返しLiDAR測量したい場合にもこの4カ所の二次的基準点を繰り返し使うことができるのである。 [i] Scaniverseは,Niantic(ナイアンティック)https://nianticlabs.com/products?hl=ja による開発中のアプリ。NianticはGoogle社内のスタートアップ企業でGoogle EarthもGoogle mapも開発している。現在Googleから独立したらしい。かつては有料だったが無料化されて,先進的なGaussian Splatting機能が付加されてもなお,無料のままだ。 [ii] https://poly.cam Polycam Proを2024年10月に月契約($26.99)してみた。 1. Oct. 26, 2024実験 曇りの日で雨が降りそうな天気であった。自分の影が映らなくて良いと感じた。Splattingに期待もしていた。Polycam (Pro)が,LiDAR測量の10分間限定を超えるのではないか,という期待があった。先に結果を言えば,PolycamもScaniverseもSplattingはルート測量には適さないということである。LiDAR測量こそ,ルート測量に適していることが判明した。諦めがついた。図1を参照してほしい。 後述するが,DOIに当たるのが,打越池南縁の歩道である。DOIを公共の基準点とつなぐ目的でルートを設定している。 南西部の基準点3-61から出発し,打越池南縁のDOIに階段②から入って③の阪急バス停「青松苑」から出て,⑤の交差点を通過して,④の基準点3-42に到達して交差点⑤に戻り,⑥の基準点3-40に北進する。そして,⑦の基準点3-41,②を通過して,①の基準点3-61に戻っている。 文学論集図51に登録済み。 階段②からバス停③の間がDOIという設定であるが,そのルートのGoogle map (2024年) 画像を図A下部に示している。画像右下隅に見えるスケールの長さは10mである。③と④の間の300mほどの距離の間に,レーベル L-1〜-4を設置しているのである。 図B,Cは打越池南縁プロムナードのステレオ写真である。ベンチの向こう先端の左手のレンガとアスファルト境界付近の地面にLabel-1を置いていた。左右両方の金網塀には葛が絡まっている。 Label 1〜4を図D〜Gに示す。Label 1は階段に近く,Label 4はバス停に近い。 以上,2024年10月24日記 2 Polycam社そのものの社会的信頼度は低い […]