はじめに

 昨晩,第1巻を読んでいて,ガックリきて,眠れなくなった。困った。『霊界物語』は,その発表前に,機関誌『神霊界』に,すでに前もって,2回ほど発表されたようであるが,教団内での評判は良くなかったらしい(飯塚氏サイトの掲載記事から)。そして,第一次大本事件のあと,『霊界物語』第1巻が発行されたのであるが,これも,いい反応が得られなかったようだ。それゆえだろう,第2巻のはじめに,編集者による弁護論が掲載されている。この弁護論を見ると,第1巻にガックリきた僕には多少の慰めとはなった。

 この第1巻は『霊界物語』の根幹の部分を示しているように思われるので,やっぱり,啓示書とするのには納得がいかない。この第1巻が父の入信の決め手になったようであるが,なぜなのか,そして『霊界物語』神系表とどう関わるのか,知りたいところである。このガッカリ感を払拭してくれるのか。

 第1巻では,高熊山での修行中の幽界や神界の探検がある。ここでは物語を通じて,自らが高熊山(高御座山)に秘め置かれた救世主三葉彦(瑞の御霊)であることを示し,他方,現界で暮らしてきた人々が,その生き様に応じて死後,どのような世界に入るのかを,いわば訓育的観点から,示されている。とはいえ,核心は,いわば国祖国常立尊を支える大八洲彦命などの造物主に愛されている神々が善神,それに反対する竹熊などの神々が悪神という設定で,その両派の闘いである。善神の拠点である竜宮城(館)などが取られたり,取り戻したりする。玉が一杯出てくる。十二個の玉については,悪神が欲しがって他の罪無き人々を巻き込む。表現手法として仏教の影響を受けた神道集や里見八犬伝など,霊界探検ではダンテ『神曲』も,表現手法の参考にされているようだ。父は僕に,ダンテも霊界旅行に行ったようだと洩らしたことがある。

 悪神の軍勢は何十万人と滅びる。悪神の中心の竹熊は,繰り返し善神をちょろまかすが,結構,何度も許される。善神にやっつけられて遂には墜落して死んだ場所に死海などができる。

 造物主は,何十万人と亡くなる兵士には特に関心は無いようで,ただ,(どうでもいい)頭領株の消息だけが描かれ,彼ら彼女らは悪態の末に何度も復活する。何十万人と亡くなる兵士には何の関心もない。聖地や玉にこそ最大の関心がある。聖地が蹂躙されることが最大の問題のように見える。

 地球の地形の形成なども触れられているが到底,地質学的視点からすると,むちゃくちゃで,そういう目で見てはだめで,奥義がある,と考えるべきなのだろうとは思う。竹熊滅亡の場面「第1巻第五〇章 死海の出現」(飯塚さんのサイトからコピー)を記す。

この時、大八洲彦命《おほやしまひこのみこと》は天明彦命《あまあかりひこのみこと》より賜はりし頭槌《くぶつち》の玉を一つ取りだし、竹熊《たけくま》の魔軍にむかつて空中高く投げ打ちたまへば、その玉は|爆発して数万の黄竜《わうりゆう》となり、竹熊に前後左右より迫つた。この空中の戦ひに竹熊は通力《つうりき》を失ひ、真贋十二個の玉とともに無惨にも地上へ墜落し、たちまち黒竜と変じ、地上に打ち倒れた。しばらくあつて竹熊は起上がり、ふたたび魔軍を起して防戦せむとする折しも、天上より金勝要神《きんかつかねのかみ》、未姫命《ひつじひめのみこと》の二柱の女神《によしん》は、天《あめ》の逆鉾《さかほこ》を竹熊が頭上目がけて投げ下したまうた。一個は竹熊の頭《にあたり一個は|背にあたり、その場に倒《れ黒血《くろち》を吐き、ここに敢なき終焉を|告げた。竹熊の血は溢れて湖水となつた。これを死海といふ。

 対して,新約聖書はどうだろう。イエスに出あった貧しき人々が救われる。(どうでもよい)社会から,無視される存在が救われる。マタイ伝で,「貧しい人々は,幸いである,神の国はあなたがたのものである。今飢えている人々は,幸いである,あなたがたは満たされる。今泣いている人々は,幸いである,あなたがたは笑うようになる。⋯⋯⋯⋯⋯,天には大きな報いがある。この人々の先祖も,預言者と同じことをしたのである。しかし,富んでいるあなたがたは,不幸である,あなたがたはもう慰めを受けている。今満腹している人々,あなたがたは,不幸である,あなたがたは飢えるようになる。⋯⋯⋯⋯⋯,あなたの頬を打つ者には,もう一方の頬をも向けなさい。⋯⋯⋯⋯⋯,求める者には,誰にでも与えなさい。⋯⋯⋯⋯⋯,人にしてもらいたいと思うことを,人にもしなさい。自分を愛してくれる人を愛したところであなたがたにどんな恵みがあろうか。罪人でも,愛してくれる人を愛している。また,自分によくしてくれる人に善いことをしたところで,どんな恵みがあろうか。罪人でも同じことをしている。⋯⋯⋯⋯⋯,あなたがたの父が憐れみ深いように,あなたがたも憐れみ深い者になりなさい。」

 『霊界物語』とは何か,ぼくが理解できるようになるのだろうか。以下,このページの記述を続けて行きたいと思っている。Jul. 26, 2020