水性ペンキを使った聚楽壁の補修 refreshment of Kyoto-style mud wall using water thinned paint

はじめに

 厨房と周辺の片付け では,油性着色ニスを使って本箱などを塗ったのであるが,自らの技倆の限界を強く感じた。このあと,さらにトイレの聚楽壁の補修が待っている。厨房の大型冷蔵庫を廃棄したのであるが,その背面をなしていた聚楽壁はかなり傷んでいる。これも改修しないといけない。これは,前述のページで記述しているが,聚楽壁補修のセットを購入しているが,トイレのロウタンク周辺の補修ならば何とかなるかも知れないが,厨房の壁面,さらにはタニハの他の壁もとなると気が遠くなる。聚楽壁補修セットは上塗りになるのでさらに厚くなってしまうし,その分が割れて落ちるかも知れない,そういう不安もあった。

 で,本箱の油性着色ニス塗りが蜿蜿と続く中で,ペンキで木地を隠すしかないのではと思い,アマゾンでアサヒペンのものを調べた。水性がまず良いようだ,そして,聚楽壁などにも対応するというものがあった。アサヒペン NEW水性インテリアカラー 和室カベ用 1.6L 朱赤色 を一昨晩,アマゾンから注文した。
カラー:朱赤
乾燥時間:夏期/30分~1時間、冬期/2~3時間
標準塗り面積:1回塗り11~14㎡(タタミ7~8枚分)
標準塗り面積(吸込みの多い面):5~9㎡(タタミ3~5.5枚分)
揮発性有機化合物の建築基準法対応区分:ランク F☆☆☆☆

図1 和室カベ用の水性ペンキ
図2 説明書

図3 養生マスカー布テープ

 1.6Lである。0.7Lもあることに気付かなかった。かなり大きなサイズだろう。失敗とも思うけど,水性なので揮発や塊形成の蓋然性は低いだろう。3188円が2791円で購入できた。アイリスオーヤマ 養生 マスカー 布テープ 1100mm×12.5M M-NTM1100S 165円,も購入したが,この使い方は下のユーチューブに出てくる。安いのに,すっごく便利に見える。

図4 ダイソーのローラー刷毛

 壁面のペイントはローラー刷毛を使うのがいいようだ。アサヒペンにも用意されているが,どうも評判が良くない。コーナンで買った方がいいように思った。コーナンで揃えて,館内のダイソーのお姉さんに見せたら,同じ物があるという。で,ダイソーを見たらコーナンよりも断然安い。セットが200円,取り替え用ローラーが2本で100円。

1 ローラー刷毛の使い方

 厨房と周辺の片付け「図101 京壁+沁み出し予防+コテ」,さらに,トイレ聚楽壁の補修 には,聚楽壁の材料を使う方法を示している。壁が破損しているところは,このトイレ聚楽壁の補修,を参照して,ペンキ塗りの前に,清掃や補修を実行する必要がある。その上で壁面が問題の無い部分も合わせて,ペイントすれば良いことになる。

 アサヒペンのNEW水性インテリアカラーで部屋の壁を塗装する方法 壁紙に塗ってるけど,参考になる。
 【DIY】砂壁にペンキ塗ってみた 砂壁なので参考になるけど,完全に失敗しているから面白い。
 日に焼けた砂壁、ペンキで綺麗に仕上がりました♪素人でも出来た!【和室/築34年】これも参考になった。ペンキを缶からおつゆのお玉で取ってる。ペンキ缶はラップで仮カバーしてる。一回目はラフにして,2回目はより定着して丁寧に塗ることができる。

 アサヒペンの書き込みなどを見て,ローラー関連の使用について,次のようにまとめられる。

 水で希釈した方が塗りやすい。臭気が少ないのはありがたい。手についた塗料もお湯で簡単に落ちる。
ダイソーのペイントローラーセットの説明などを参考に。
1 ローラーの表面に浮いた毛を,ガムテープなどで,取り除く。
2 ローラー皿の凹んだ部分に塗料を入れる。液位は皿深の1/2程度か。
3 ローラーを皿にゆっくり入れ,転がしながら,ローラーの表面にまんべんなく塗料をつける。ローラー内部に空気を含んでいるとキレイに仕上がらないため、気泡がでなくなるまで、しっかりとペンキを染み込ませるのがポイントだ。
4 余分な塗料は皿の手前の角で塗料が垂れないように落とす。
5 塗装面にローラーを45度の角度で当て,下から上に転がす。塗るときに強く押しつけすぎるとペンキが垂れてしまうため、力加減に注意しよう。また、塗っている際にローラーを浮かせてしまうとムラができる可能性がある。手早く塗りたくなってしまうかもしれないが、あまり早く転がし過ぎるとローラーが上手く回らなかったり、ペンキが飛散したりすることも。丁寧に転がしながら塗っていこう。
 ペンキを塗る際は、まずWの文字を書くようにペンキを配る。次に、縦横にペンキを広げて伸ばすように塗っていく。最後に、一定方向に塗り整えるのがポイントだ。壁の場合は、下から上に向けて塗ることで、ペンキが垂れにくくなる。
 壁の補修した部分は厚塗りする必要があるかも知れない。塗りにムラがある場所は,重ね塗りをしたり,乾いても濡れたウエスとかで擦ると取ることができる。床に垂れたペンキも同様に拭いて取ることができる。
 延びが良くて,ローラーで押し付けるようにして,和室の京壁の上から直接塗ることができる。乾いて色が落ち着くとローラーの跡も目立たなくなる。
 既存のジュラクが砂落ちする場合は,樹脂系の水性下地プライマーで押さえてからの塗装する場合があるが,プライマーは土壁に対応するものを選ぶ必要がある。隅部はハケで塗る。
 砂壁は下地処理していても吸い込みが多いため、2回塗りで30㎡に7L使用したので4.2㎡/Lだったようだ。

ペインティングを成功させる10のポイント アサヒペン
1.塗料は対象に合わせて選ぼう
基本中の基本は、塗装対象に合った塗料を選ぶこと。塗料が対象に合わないと、すぐにはがれがきたり、保護効果が薄かったりトラブルのもとです。トタン屋根にはトタン用、浴室には浴室用が相性ピッタリです。

2.塗装をするなら晴れた日に
寒い日のペインティングは人間がつらいだけでなく塗料にとっても最悪。ことに水性塗料は5℃以下で塗ると簡単にはがれてしまいます。気温が7℃でも、塗装面 が5℃なら同じこと。また、湿気が高すぎても、結露や白濁、なかなか乾かないなどの失敗の原因になります。湿度(65%以内)、温度(15℃~20℃)の晴れた日が理想です。

3.下地調整を入念に
塗装する面の古い塗膜や汚れ、サビなどを残したままペインティングしてもすぐにはげたり、塗面 が凹凸になったりします。塗装を素早く美しく仕上げるために下地調整は入念に。下地調整の段階で、塗装後のよしあしがほぼ決まってしまいます。

4.マスキングは必ずする
下地調整同様、マスキングも大切な作業のひとつ。塗料を付けたくない所は、あらかじめ新聞紙やビニールシート、マスキングテープなどで覆っておきます。きちんとマスキングしてあれば作業能率もあがり、きれいに仕上がります。

5.塗料は使い始める前によく混ぜて
顔料が沈殿したまま塗り始めると、仕上がりにムラができます。使う前に容器の中の塗料をよく混ぜてください。スプレーも同様に、30秒~1分ぐらい容器を振らないと混ざりません。スプレーの場合、顔料が下にたまったままだと、詰まりの原因にもなります。

6.うすめ液を上手に使おう
塗料の粘り気が強すぎると塗りにくいものです。そこで活躍するのが「うすめ液」。水性には水、油性にはペイントうすめ液、ラッカー系塗料にはラッカーうすめ液を使います。こぼれた塗料や衣服に付いた塗料の汚れもうすめ液で落とせます。

7.塗装対象に合った塗装用具を
ハケは塗料によって水性用、油性用、ニス用に分けられます。作業の能率アップには、塗る場所に合わせてすじかいバケ、ズンドウバケ、平バケなどを使い分けることが大切。ローラーバケやコテバケも有効に活用して。ハケが揃ったら、まず隅から塗り始めます。

8.塗料の厚塗りは禁物
塗料を厚く塗りすぎると、乾燥するまでに時間がかかり、表面が縮んでしまったり、ひび割れができたりします。薄く塗って2~3回重ね塗りする方が失敗しません。もちろん1回塗り塗料なら、1度で多少厚めに塗ってもきれいに仕上がります。

9.重ね塗りは、前の塗料が乾いてから
薄く2~3回塗るのが美しく仕上げるコツですが、重ね塗りする際は下の塗料が乾いているか確かめてからにしましょう。乾き方が不完全だと、厚塗りしたのと同じ状態に。指で押してみて指紋の付かないことが確認の目安ですが、缶 の表示にある塗り重ね時間を確認します。

10.通風をよくし、換気に気をつけよう
風通しがよければ、塗料は早く乾きます。重ね塗りもスピードアップ。油性塗料やラッカー系塗料などを用いるならなおさら、臭気がこもらないように通 風・換気を心がけます。

以上,Nov. 4, 2020記。