玄関引き戸とその敷居の補修 repairment of sliding doors and their rails of lounges
はじめに 父の昇天の後,タニハの玄関鍵の開け閉めには苦労してきたが,この春の退職まで,向き合うことは無かった。正面玄関,通用玄関,そして玄関脇倉庫口はいずれも,同じ引戸と花崗岩の敷居になっていて,類似の問題を抱えている。 上の写真1は今年2020年10月初旬のものである。草刈をまだしていないが,屋根の補修や聚楽壁などの修復は終わっている。右の写真は正面玄関で,この右手に倉庫がある。 まずは,取っ組み易い通用玄関の上棧削りから始める。戸車の型を調べて問題があれば,更新する必要がある。倉庫口も同様の対処が必要となる。正面玄関はレールの交換だけでなく,花崗岩と真鍮レールの穴開けなどの作業が続く筈である。 以上,Dec. 17, 2020記 1. 通用玄関にチャレンジ この場が最も簡単で,ここで,戸車と真鍮レールのチェックをして,工事計画を立てたいと思い,帰りのアイスバーンが回避できるであろう本日,Dec. 18, 2020にタニハに向かった。Googleでは,通い慣れたルートと違うルートを指示するので,アイスバーン回避のために,このルートを検証した。ワインドと急坂に関して,今回のルートの方がいいことがわかった。所用時間は変わらない。 ちょっとギシギシと鳴った。肩と頂部をそれぞれ5mm下げた方がいいようだ。東寄りだと適当だが。簡単に掃除したつもりだが,かなり積年のほこりは溜まっている。 外して,上棧の削り込みを何とか本日完了した。 戸車は動かないということは無いが,この際,全部交換したい。2x2x3=12個必要だ。戸車固定用の釘は写真9のように,木ねじではなかった。 右の写真9の右下の小さな釘は真鍮レールに刺さっていたもので,この下部は花崗岩の方に残った。 この様子を見た時に事態が飲み込めなかった。iPhoneの写真を見て,理解できた。花崗岩に穴を開けようとしたが,不定形に割れている。そして,セメントを埋めて,それに木の円柱杭を押し込んだようだ。そして,真鍮レールに穴を開けて,木杭に打ち込んでいる。だから,耐久性が無くて,抜けてしまったのだ。ひどい工事だ。 で,ぼくはどうするか。 以上,Dec. 18, 2020。 2. まずは戸車とその釘について 45年前に父が建てた家なのだが,装着されていたものにほぼ該当するものをネット上で確認した。これはヨコヅナ製の「RJC鋳物枠ローラー戸車の袖平型」という。ローラーは鉄製なので,結構錆びてはいるが問題なく回転している。始めてチェックしたし,今後はもう年齢的にぼくが実施することは考えられないので,交換するのが妥当と思っている。 交換する上で注意すべきなのは,ねじ穴の位置,戸車を入れ込むように削り込まれた穴の形,戸車を交換した際の鴨居の溝から敷居の真鍮レールのトップまでの距離(図11のM+(E-I))がほぼ一致している必要がある。ネット上に出ている袖平型とされる図面は,ぼくが見た販売サイトはいずれも過って袖丸型が掲載されているので,修正して図11を用意した。 図面では,赤線でローラーの丸型を平型に修正している。図中に,M+(E-I),の該当場所を寸法線などで記している。タニハの既存のものは,M+(E-I)=5+(5-2)=8mmである。 図12の情報から,RCJ-0363は,M+(E-I)=5+(8-3)=10mmであり,この戸車に交換することで,引戸が2mmだけ高くなるので,上棧を削る深さを考慮する必要がある。A長も,76-72=4mmだけ長いので,既存の支持溝長を2mmずつ伸ばす必要がある。ローラーを入れ込むポケットの幅は,A-2L=76-2×15=46mm長で,F-M=30-5=25mm深であるが,タニハの引戸に掘られたポケットは既存の戸車のA-2Lが45mmであり,RCJ-0363の厚さGは16mmで既存戸車14mmより大きいが,たぶん,新たに削ることなく,このRCJ-0363をセット出来るはずである。 タケダネットでは319円/個だが,送料情報が注文時点では得られないのでかなり不安ではある。この関係の送料は本体価格よりも高くなる可能性がかなり高いのである。https://www.ks-takeda.biz/item/akawaku_roller_hira30/ この戸車を留める釘は,タニハでは木ねじではなく,ネジ溝無しの真っ直ぐの釘であった。頭の直径4mm,釘部の直径1.8mm,およそ25mmであった。このRCJ-0363のφKは3.2mmあるので,固定のためには,タニハのもともとの1.8mmよりも太い釘を選ぶのが適当であろう。 形やサイズからすると,より耐久性の高い戸車の選択肢,ヨコヅナBTSベアリング入真鍮戸車袖平型ステンレス枠,のBTS-0363もある。ただ,タケダネットで1920円(個,税抜き)である。 図13でBTS-0363について見ると,M+(E-I)=5+(5-2)=8mmとなり,タニハの現在の戸車と同じ値を示している。ただ,A長は76-72=4mmだけ,B長も64-60=4mm長い。B長については二つの釘穴はそれぞれ2mm外側にズレるにすぎない。ローラーを入れ込むポケットの幅は,A-2L=76-2×14=48mm長で,F-M=32-5=27mm深であるが,タニハの引戸に掘られたポケットは既存の戸車のA-2Lが45mmであり,BTS-0363の厚さGは14mmで既存戸車と一致しており,たぶん,新たに削ることなく,このBTS-0363をセット出来るはずである。 このBTS-0363については,使用品度の高い正面玄関と玄関横倉庫のそれぞれ日常的に利用する2枚の引戸だけに適用することも可能かと思っている。以上,Dec. 19, 2020記 今日,コーナンプロで,安い方の,RCJ-0363,を12個入を注文してしまった。まあ,いいわ。釘については自宅の道具箱から3種類の釘をより分けた。使ってみないと解らない。 Dec. 20, 2020記 3. 真鍮レール周辺の準備 写真10に見られるように,真鍮レールには釘がセットされていた。この通用玄関では比較的レール移動が無いように思われたが,2本それぞれで1個所ぐらいしか,固定されていない。風化の結果である。写真10の木杭のように見えるのが実際木製なのかをドライバーなどを突っ込んでみて確かめる必要はあろうが,まあ間違いないだろう。 左の写真では,敷居の水洗い直後であるが,釘を抜いて,真鍮レールの上に載せている。この真鍮製の釘はφ1.8mmで,長さは10mm,これは折れてしまっているので,元々より長いものである。 真鍮レールの断面は8mm正方形で,長さは177.5cm長である。釘穴は5ヶ所。 真鍮レールはモノタロウから,(8×8)x1820 (mm) 販売価格(税込)¥3,179で,販売されている。製造元は,水上MIZUKAMである。送料不明。 https://www.monotaro.com/g/03986365/ これに対応する釘は,SPフロア釘というもので,品番15 (1.8) x 38で,600本入りが税別で399円である。スチールであることが多少心配。 https://www.monotaro.com/g/00866611/ 次の図17はモノタロウで本日,Dec. 21, 2020, 購入した。なんと長尺なのに,送料無料だった。コーナンプロで見積もりして頂いたが,モノタロウから比べるとかなり高い。取り寄せ送料も請求された。モノタロウは3500円以上だと送料が無料になる。ありがたい。戸車は結局,高級な方は諦めた。 注文当日にもう発送されたらしい。戸車の方。Dec. 21, 2020記 4. 真鍮角レール固定のための工具とパテなど 真鍮角レールの固定に関連しては,コーナンプロの店長のアドバイスを踏まえて,工具やパテなどを購入した。旧式のようではあるが廉価な振動ドリルを購入した。コンクリート,金属,木材に対応したドリルである。機能などを説明書を見て確認する必要がある。 次の図19のドリルビットdrill bitもコーナンで一緒に購入したが,振動ドリルと合うのかどうか,確認する必要がある。下のビットの説明も確認する必要がある。左の木工用ドリルセットのケースは開けることができない。コーナンプロの技術職の方も開けることができなかった。この方はすでに同じ製品のケースを壊して開けていた。再挑戦だったが駄目だったのである。 真鍮レール再設置のための,パテなどは,次のものである。 追加 Dec. 24, 2020 コーナンプロで上記の振動ドリルの説明を受けた昨日,追加購入。図21左の赤い頭のものは角錐万能ピック 288円,図の中央のものは振動専用ビットで「ノンストップ型 ミカゲ石,石材用」488円。この写真にはないが,1mのアルミ板360円を購入した。墨入れ用である。スケール付きだとこの10倍はする。万能ピックは,ポンチの代わりにもなり,次の作業の際に,釘位置決めの際にも使えると思う。図21の右のものであるが,別途,電気ドリル使用時の目の保護のために,手持ちの保護めがね,理研オプティック製保護めがね(ゴーグル型)M10C-HF,を用意している。 5. 通用玄関の今後の手順 真鍮角レールの更新は,正面玄関のレールが踏み散らかして曲げてしまった1本だけである。さし当たり,通用玄関については戸車が到着すれば,数時間内に工事が可能の筈である。真鍮角レールを如何に固定するか。これが最大の問題である。木杭が腐っていない場合の工事は簡単だ(追加Dec. 24, 2020: Dec. 22に確認した。固くて問題無いようである)。通用玄関については,次の手順になると思う。 乾かしている間に,引戸の戸車の交換を実施すること。 以上,Dec. 21, 2020記,Dec. 24追記 6. 通用玄関を実際にやってみたら 正月三日,お天気が比較的よくて,寒さに戦きつつ,タニハに出かけた。で,想定外があった。レールが簡単で,戸車交換が大変だった。 通用玄関レールで辛うじて残った釘付近をペンチで引き抜くと,簡単にレールは花崗岩から離れた。その残った釘を側面から見たのが図22である。折れ尺の10mmから25mmに渡っているので釘の長さは15mm長ということになる。用意していたフロア釘は38mm長なので,余りに短い。実際に,金槌で打ち込んでみると入らず,曲がってしまう。 そこで,図24のように38mm長の釘を先から15mm長にすべくペンチで切り取った。図24に見える樹脂製の頭をもった槌でペンチの頭を叩いて,押し切ったのである。そして,打ち込んだのが図23の釘でレール頂面レベルに入り込んだ。この釘は既存の釘穴を避けて木杭に打ち込んだ。つまりは,長く考えてきた振動(電気)ドリル,ビットを全く使う必要がなかった。ボンドも不要だった。ペンチを使えば簡単にレールは外れるであろうが,通常の使用環境ではしっかりしたものである(図25)。また不具合が生じることがあれば,何らかの改善が必要ではあろうが。 さて,戸車の交換である。 図26のように,新戸車はエプロン部分が入らない。図27のように旧戸車は完全に入っている。図27では戸車の上の部分が赤く覗いているが板の削り込みと視角のためである。 図28,図29のように,新戸車は旧戸車に比べて,より厚く,エプロンもより高い。 それゆえ,引戸の戸車設置用の穴は,より幅を大きく,戸車の釘付け面もより深く彫り込む必要がある。 戸車の旧戸車用の設置穴を計測して,幅と彫り込み深を正しく求める必要がある。釘は既存のものより長くて太いものを考えていたが,金槌が狭い溝には入らないので,従来のサイズを踏襲した方がよさそうである。なお,この造作はノミだけでは困難で,折角購入したドリルを使いたいと考えている。 ただ,前述「図12の情報から,RCJ-0363は,M+(E-I)=5+(8-3)=10mmであり,この戸車に交換することで,引戸が2mmだけ高くなるので,上棧を削る深さを考慮する必要がある。A長も,76-72=4mmだけ長いので,既存の支持溝長を2mmずつ伸ばす必要がある。ローラーを入れ込むポケットの幅は,A-2L=76-2×15=46mm長で,F-M=30-5=25mm深であるが,タニハの引戸に掘られたポケットは既存の戸車のA-2Lが45mmであり,RCJ-0363の厚さGは16mmで既存戸車14mmより大きいが,たぶん,新たに削ることなく,このRCJ-0363をセット出来るはずである。」が関わるので,まずは釘付け部分の削り込みは,待った方がいいかも知れない。 以上,0: 14AM, Jan. 4, 2021 7. 続 通用玄関を実際にやってみたら 昨日に続き,天候の関係から,本日,Jan. 4, 2020,も出かけた。そして,1枚の引戸を無事仕上げることができた。その経過を明日,書き込みたい。さしあたり,図30を掲載する。 図30(図11が下敷き)の黒色の線と文字は,新規の戸車の寸法図である。オレンジの実線は下棧底,破線は旧戸車収納のために彫り込まれていた空隙に当たっている。緑色は,問題となるところで,一つはエプロンの飛び出し,もう一つは小さい戸車収納空隙を示している。 Jan. 4, 2020記 新たな戸車設置経験をまずはまとめたい。 まずは,新戸車自体を空隙に入れることができなかった。図30でオレンジ色の破線で示した戸車収納空隙の長さが足りない。新戸車は,A-2L=46mmが必要である。ところが旧戸車が小さいので空隙も小さかった。そこで,図32ではその作業が終わった後であるが,見えないが,新しい戸車を填め込むために,ノミと木槌を使って,A-2L=46mmより多少長くした。そのようにして,図31のように新戸車が一応,入り込んだのである。 […]