光波測距儀設置点をGEPro情報から捉える:後方交会法 acquisition of setting point of an electro-optical distance measuring instrument using GEPro images by the backward intersection method

はじめに

 drone測量の際に公共基準点を利用できない事態が生じた。drone測量の経験が不足していた結果であった。drone測量で得られた空中写真と現地情報とを繋ぐために,1点にのみ設置した光波測距儀から得られた7点のgcpについて,drone測量から得られた空中写真上で同定した。以上の結果だけでは地球座標系との関係が得られず,光波設置点を後方交会法で求めた。(Nov. 2023にはこのことを失念していて,光波測距儀設置点をiPhone 12 ProのGPS計測値としていた)。2020年の調査から帰ってearly April, 2020には,drone測量結果からDEMやortho.tif画像を得たのであるが,Nov., 2023に検証してみると,GEProの画像とかなり一致していないことがわかり,このページ作成時には,GPSの精度の問題と誤解していた。

 そこで,測量時の記憶と現場写真,さらには,GPSを使ったgcpとGEPro画像のズレを考慮して,GEPro上で光波測距儀設置point,今後,ベースと呼ぶが,これを,仮に設定した(図1のbase-gps,茶色のプッシュピン)。その結果かなり改善されたのであるが,数メートルのズレが生じている(図1の茶色のプッシュピンで,a-gps〜g-gpsの7点)。そこで,GEPro上で画像を観察して,手作業で7点のgcpをプロットした。これを使って,後方交会法でベースを求めることにしたのである。

 前段も誤解で,結局,April 2020年と同様,後方交会法を使うのであるが,GEProの画像上でのgcpの位置を再検証して,かなり確かな位置を得たのである。つまり,7個の赤いプッシュピンは,droneで撮影した空中写真や現場写真などをここ数日,見直して決定したファイナルな結果である。

 まあ,この文章も混乱しているが,とにかく,April 2020 時と同じ後方交会法を使うことになる。

1. GEProの画像上のgcp7点から3点を選定

 後方交会法,この調査に関して,はじめて使おうと思ったら,すでに調査直後にVisual Basicでエクセルに組み込んで,計算が完了している。このウェブページを作成すべく,過去の当方のウェブサイトを検索するなどして,エクセルに計算プロセスを組み込もうとしていたら,このmacより古いファイル群の中に当方が作成したものがあった。この検証もしたいと思う。

 図1のほぼ中央に民家があって,この敷地内にbase-GE(茶色のプッシュピン)がある。このベースから光波測距儀を使って得たgcpの位置を7個の茶色プッシュピンで示している。GEPro画像での赤いプッシュピンは(ほぼ)正しい位置であるが,茶色のプッシュピンはほぼ反時計回りに回転しているように見える。7点の回転角度を求めて,時計回りに回転補正もできるが,ただ,図1の北西隅に近いf-GEとa-GEではベースからの距離も多少縮める必要もある。

 base-pointの決定過程で,GEPro上の位置決めが多少粗かったので,改めて,GRPro画像上のより高い精度の位置同定を実行したので,これに見合うベースを求める努力をしてもいいのではと思う。その過程と以下に示す。

図1 赤いプッシュピン gcp7点

 後方交会法は3点以上で成立するが,当方がVisual Basicで作成したエクセルファイルがあるので,これを使いたいと思う。April 2020に,be氏から提供頂いたのは,図1の左上隅のb点(宇和美崎トップ),図1の北西隅のa点(ピナクルトップ),そして,民家(立方体2階建て)の鉄筋コンクリート(屋根?)上端南西隅のd点であった。最後のd点は,放射軸の長さが短いので,電柱byKのc点を選択したいと思う。April 2020と異なり,位置は再検証して,変更している。その違いも多少,取り上げるつもりである。

以上,Nov. 29, 30, 2023記。

2. 後方交会法の計算

 エクセルファイル 宇和美崎2020春back.xls に新たにスプレッドシートを追加して行こう。後方交会法で使用する3点は,a点ピナクルトップ,b点宇和美崎トップ,c点d電柱byKである。図2はGEからの読みを平面直角座標系に変換。2020年4月の3点のうちの共通点の平面直角座標系でのズレの距離を示している。

図2 GEProの読みから平面直角座標系 I 

 http://motochan.sakura.ne.jp/public_html/KyozaiContents/85.htm にVBAを使った計算手法などを示しているが,Googleブラウザーでは開かない。FireFoxやSafariが必要だ。将来,移転するつもりだが。

図3 後方交会法によるVBAで計算して

 図3には新たな光波測距儀のベースが求められているが,2020年4月に比べて,northingで北に1.8m,西に0.1mしか変わらなかった。経験的に言うと,現場写真などでGE画像上で求めたベースよりも北寄りになっていて,改善されていないことがわかるが,一応,再計算してみたいと思う。意味がないと思いつつ。

 この原因は,後方交会法の限界というよりも,GE上での実GCPの同定の際に,GEのモザイク画像の歪みが大きいと思う。グーグルアースプロの限界 参照。

3. GCP7点の再計算

 後方交会法で求めた光波測距儀位置(宇和美崎ベース)を使ってGCPの再計算を実施した。

図4 宇和美崎ベースからGCP7点の再計算

 

4. GE表示のために平面直角座標系を経緯度座標系に一括変換

 図5の結果を使ってkmlファイルを作成することになる。

図5 平面直角座標系1から経緯度10進度に変換した

5. KMLファイルを作成してGEに載せる

 残念っ。新たに満を持しての後方交会法で求めたベースからgcp7点をプロットしたのが図6だ。GEProから想定したベースよりもかなり離れてしまった。やっぱり回転かいなあ。

図6 残念っ 

以上,Dec. 2, 2023記。